ADHDとASDにおける混乱の違いと対処法
ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)では、混乱やストレスを引き起こす要因やその対処方法が異なります。
ADHD:「全体がまとまっていないと混乱する」
特性の背景:
ADHDの人は、注意の持続や情報整理が難しいため、全体像が不明確だと混乱しやすくなります。作業記憶(ワーキングメモリ)の制限により、複数情報の同時処理や優先順位づけが困難です。
具体例:
プロジェクトの指示が曖昧だと、「何から始めればいいか」がわからず混乱する。
対処法:
- タスクをリスト化やマインドマップで視覚化する
- 作業を小さなステップに分割する
- スケジュール管理アプリを活用
- 曖昧な指示には明確化を求める
ASD:「細かなことが掘り下げられないと混乱する」
特性の背景:
ASDの人は、詳細に焦点を当てる傾向があり、曖昧さや不確実性に弱いため、具体的情報がないと不安になります。
具体例:
「会議でプレゼンして」と言われても、スライド枚数や時間配分が不明だと前に進めない。
対処法:
- 具体的な手順や期待される成果を提示する
- ルーチンやテンプレートを活用する
- 質問しやすい雰囲気を作る
- 細部→全体へと段階的に進める
ADHDとASDの違いと共通点
違い:
ADHDは「散漫さ」、ASDは「不確実性」から混乱が生じやすい。
共通点:
明確な構造や視覚的サポートが有効。併存する場合は両者の支援が必要。
実際の対応例
- ADHD向け: TrelloやNotionなどで全体像を可視化
- ASD向け: 手順書やチェックリストで安心感を提供
- 併存する場合: まず全体像を示し、次に細部へ段階的に説明
注意点
個人差が大きいため、柔軟な対応が求められます。専門家のサポートを受けることも効果的です。
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