「規格外」の性能を持つ、Geforce 3000番台の真価とは
「Geforce」とは一体何を指すのか
NVIDIA社のGPU「Geforce」の最新世代である「3000番台」が、2020年秋から続々と発表されている。このようなGPUは、主にPCのリアルタイム画像処理で効果を発揮するため、最新の3Dゲームをプレイするには必須のパーツとなっている。
たとえば、最近流行っている「Apex Legends」をプレイするには最低でもGTX 1650(2万円弱)以上が必要で、快適にプレイするにはGTX 1660 SUPER(3万円程度)が、4K画質でプレイするにはRTX 2060 SUPER(6万円前後)が必要である。
前世代の最上位をミドルクラスが超えた
現時点で「3000番台」では、RTX 3090、3080、3070、3060Tiが発表されており、この順で値段・性能が低くなっている。この中でも最も注目されているのがRTX 3070である。前世代の最上位であるRTX 2080 Ti(当時15万円以上)を超える性能ながら、8万円弱で手に入れることができるためである。
各種SNSや掲示板でも、高いお金を出して2080 Tiを買った人たちを慰めたり、そんな下剋上が僅か2年で起こってしまうGPU市場を風刺したりする風潮が生まれるほどであった。
また、3070から性能を少し削った3060 Tiも非常に注目されており、「実際に『買い』なのは3060 Tiだ」という人も多い。
コンシューマー機を突き放す性能
最近発表された「Cyberpunk 2077」を満足にプレイするためにはRTX 3070以上が必要と言われているが、このような高性能GPUをコンシューマー機は持ち合わせていない。※コンシューマー機とは、Nintendo SwitchやPlaystationなど、一般家庭用に普及させることを大きな目的としているゲーム機のこと。
実際にPS4では十分なフレームレートが出せず、キャラクター等の動きが鈍くなるなどの症状が出ており、PS4ユーザーの怒り・落胆も各所で見られる。
RTX 3070等を搭載できるゲーミングPCを使っていれば、このような性能不足に悩まされることはない。しかし、コンシューマー機の3倍以上の値段を出してゲーミングPCを買うのか、という問題もある。
「3000番台」のライバルとは
上でも述べたように、Geforce3000番台とコンシューマー機では、購入する客層を異にしている。それでは、Geforce3000番台のライバルとは一体何だろうか。それはGeforceと同じ「高性能GPU」である、Radeonシリーズの6000番台だ。
Geforceが2000番台だった時にもRadeonは強力なライバルだった。いつもRadeonはGeforceの後出しで製品を発表するため、どうしてもGeforce側としては苦戦を強いられることになる。
今回もRTX 3090、3080発表の少し後に、Radeonは6900XT、6800XTを発表している。高性能GPU市場での競争は、これからますます激しさを増すと思われる。