暗号資産(仮想通貨)について

そもそも、暗号資産(仮想通貨)とは何か?

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上で取引することができる財産的価値のあるものであり、「資金決済に関する法律」に基づいていると言われている。
暗号資産に関する定義はいくつかある。

1つ目は「不特定多数の人々に対して、代金の支払いなどに使用でき、法定通貨(日本円やドルなど)と相互に交換できる」である。

2つ目は「電子的に記録され、移転できるもの」である。そして3つ目は「法定通貨または法定通貨建ての資産ではない」が挙げられているのだ。


暗号資産はいくつも種類があるが、代表的なものは「ビットコイン」と「イーサリアム」である。

暗号資産は、銀行や証券会社などを介さずに、財産的価値を不特定多数の相手とやりとりをすることができるため、近年高い注目を集めているのだ。

一般に、暗号資産は「交換所」や「取引所」などと呼ばれる「暗号資産交換業者」から入金や換金をすることができる。

この「暗号資産交換業」は、誰でも行うことができる訳ではなく、金融庁や財務局の登録を受けた事業者のみが行うことができる。



仮想通貨とは何か?

「仮想通貨」という用語は、デジタル通貨やソーシャルゲームが流行し始めた、2009年頃に生まれたと言われている。

本来、ビットコインの正しい分類は「デジタル通貨」だったが、米国政府は「仮想通貨」という用語を好んでいたため、一律に「仮想通貨」と呼ばれるようになったと言われている。

日本では、2016年に仮想通貨に関する「改正資金決済に関する法律」が成立し、2017年にその法律が施行された。


法律が制定された当時の名称は「仮想通貨」だったが、現在は「暗号資産」と呼ばれている。

これは、名称に「暗号」とついているが、実際に暗号を使用していなくても暗号資産に分類されるのだ。

暗号資産の定義の1つは、「不特定多数の相手と購入や売却を行うことができる財産的価値があり、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」である。
ただし、「財産的価値」とは、電子機器などに電子的方法により記録されているものに限って認められるものである。




仮想通貨の定義

仮想通貨は、数あるデジタル通貨の一種であり、特定の仮想コミュティ内のみで受け入れられ、使用することができる通貨のことである。

規制を受けておらず、仮想通貨の開発者によってコントロールされていることが、仮想通貨の特徴の1つとして挙げられている。


2013年、米国財務省は、仮想通貨を「一部の環境では通貨のような交換媒体とされているが、実際に現実社会で使われている通貨の全ての属性を備えているわけではない」と、実際の通貨とは対照的であることを述べている。

特に、仮想通貨は「どの地域においても、法定通貨と同様ではない」ということを強調している。


2014年に欧州銀行監督局が、仮想通貨について「中央銀行や公的機関が発行したものではなく、個人や法人に支払い方法として受け入れられ、電子的に移動や保存、取引される電子化された価値のあるものである」と述べている。

これと対照的に、中央銀行によって発行されたデジタル通貨は「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)」と呼ばれている。



仮想通貨の歴史

以前の「仮想通貨」という呼称は、既存の法定通貨との区別が難しく、誤解を招くことが度々あった。

そこで、2018年の国際会議で「暗号資産」という言葉が使われたことにより、日本でも暗号資産への呼称変更を盛り込んだ資金決済法や金融商品取引法が改正された。

これにより、暗号を使用していなくても「暗号資産」と呼ばれるようになり、よりわかりやすくなったと言われている。


暗号資産が暗号であるかどうかよりも「電子情報処理であるかどうか」が、重要な要件となったのだ。
これにより、通貨建資産は除外されるので、法定通貨で価値が安定しているものが暗号資産から除外されるようになったのだ。

最近よく耳にする「ビットコイン(BTC)」や「オルトコイン」は暗号通貨に含まれるが、これらは仮想通貨の一種であり、日本の法律上の暗号資産に該当するのだ。
また、ビットコインに関しては、エルサルバトル共和国において「ビットコイン法」という法律が制定されたことで、暗号資産についてより勉強する必要性が高まった。



エルサルバドル共和国におけるビットコインの法律

仮想通貨の一種であり、日本の法律上では暗号資産に含まれている「ビットコイン」は、今や世界中で取引されている。

エルサルバドル共和国では、2021年6月に「ビットコイン法」が成立した。


ビットコインがエルサルバドル共和国の法定通貨になったことで、2021年9月に法律が施行された。

ビットコインが「外国為替及び外国貿易法」で定める外国通貨に該当する場合は、「資金決済に関する法律」には該当しない。


しかし、外国通貨に該当するかどうかは、「強制通用力」を持っているかが基準となるのだ。

エルサルバドル共和国の「ビットコイン法」では、ビットコインは強制通用力を持っているとされているが、ビットコインにアクセスすることができない人はこの法律が免除されるとしている。

そこで日本政府は、ビットコインはエルサルバドルの外国通貨には該当せず、ビットコインは暗号資産に含まれるという解釈をとったのだ。

ビットコインやオルトコインは、日本の法律上では「暗号資産」に分類されている。



仮想通貨の規制

仮想通貨の種類は、世界中で年々増加している。

2016年に編集された『日本大百科全書』では、世界には600種類以上の仮想通貨が存在していると記載されている。

そして、それらの仮想通貨の推定時価総額は、2016年4月時点で、およそ80億ドルと言われている。


また、2018年の朝日新聞の記事では、仮想通貨は世界中で1000種類以上あるとされ、全体の時価総額は59兆円に達すると書かれていた。
仮想通貨の市場はここ数年で急拡大していることが分かる。


市場が急拡大することで、仮想通貨取引の規制も厳しくなっている。

中国では、2021年9月に、中華人民銀行は、中国国内で仮想通貨(暗号資産)のサービスを提供する行為を全て禁止した。

そして、仮想通貨の使用も違法とし、海外の取引所が、中国本土の国民に仮想通貨のサービスを提供することを禁止としたのだ。

中国政府は仮想通貨を「愚かな予想ゲーム」と揶揄していて、中国発の仮想通貨である「GXS」も、中国警察当局により閉鎖されたのだった。

関連記事







内山田画廊ブログはこちらです!